明文堂のこと

今日買い取りに伺ったお客さまは故明文堂の友人で、「即売会のたびに荷物運びさせられた」そうです。「しんどいけど、いろんな本見られて楽しかった」
明文堂が亡くなってから、かれこれ二十年。
千代町の、店は小さかったけど、人物は親分肌の、器の大きな人でした。
私が駆け出しの頃、本はどんどん入ってくる。しかし捌けない。
仕方がないので溢れた本を市場に持っていく。しかし値段はつかない。
そんな時いつも泣きついていくのが明文堂。
「明文さん、僕の出品、誰も入札してくれんとですよ」
「よかよか、オレが買うちゃるけん、すきな金額書いときや」
1500円と書きたいところを、ぐっとガマンして1380円にしたりして。
あの頃、どれほど買ってもらったことやら。
多分まったく儲けはなかったろうなあ。お世話になりました。
墓参りにも行かず。合掌