浮世の義理です

我が家のエンゲル係数は極端に高い。古本稼業のささやかな収入は、食と住(ローン)だけでアッサリ消えてしまう。衣に回す余裕などないのだ、と威張るほどのことでもないが、しかし、今日は、シャツを買ってしまった。3,990円。はたしてこれは高いのだろうか、安いのだろうか、そんなことさえ見当もつかない。
実は明後日、姪っこの結婚式。父親側の親族といえばもう私くらいしかいないので、四の五の言っちゃいられない。披露宴どころか式まで出なければいけないらしい。気が重い。ネクタイの締め方、どうやるんだったっけ。しぶしぶ衣装などチェックしてみると、どういうわけか白いシャツが見つからない。去年3、4回は葬式や法事があったんだから、ないはずはないんだけれど。とんだ物入り。
「披露宴終わったらタクシーで帰ろうか?6000円くらいかかるかな?」
「とんでもない、もったいない。歩きと電車とバスで十分。いい気になって、酔っ払うんじゃないよ」
カミサンに〆られてしまった。