今日も手ぶら

マンション6階。すでに廊下に出してあった本、2、3箱。ほとんどが最近の小説や文庫など。買い取り金額を伝えると、「ちょっと待ってくださいね」と、部屋の中に引っ込んだまま出てこない。見はらしはいいけれど、今日はあいにくどんより曇り空で、立花山、宝満山方向も何も見えない。いささか退屈する。ようやく出てきたお客さま、「やはり献本することにしましたから、すみません」

それにしても、「本を寄付する」というお客さまが多いけれど、いったいどこに申し入れするつもりなんでしょうか?不思議でたまらない。図書館でも公民館でも、想定外の本を「あげますどうぞ」と言われても、困惑するだけだろう。保管場所も人員もギリギリ、予算だって仕分けされている。こちらが善意なら相手が喜ぶに違いないと思うのは、あまりにもナイーブに過ぎるだろう。現物押し付けなど迷惑なだけ。どうせいらない本なら全部古本屋に売っ払って、たとえささやかな金額でも、現金を寄付すればいいのにといつも思う。ちょっと古本屋勝手すぎますかね。