名を名乗れ

電話でいきなり、「福岡で一番大きな古本屋さん教えてください」
一般的な小売業の大小は、売り場面積で決まるんだろうけれども、地方の古本屋じゃねえ、比べるほどの面積がありゃしない。第一、福岡組合所属の古本屋60数店の内、実店舗があるのは今やほんの20店。店の大きさじゃないとすれば、在庫か?自店の在庫数を正確に把握している本屋なんかいるんだろうか。百箱買う日もあれば、えいやっと数十箱処分してしまう日もある。ましてや複数の倉庫があれば。「あらゆる分野の本を扱うというような本屋さんはないんですか?」地方の本屋は、それは何でも扱わなけりゃやってはいけないんだけれど、古本屋の世界では、何でも扱うというのはプラスの評価にはならないんですよ。それこそ何にも扱わないようなもので。そんなことをごちゃごちゃ言っていると、「あ、もういいです」いきなりガチャリと切られてしまった。
妙にはきはきした若い女性で、どうせ雑誌かなにかの企画の下調べなんだろうけれども、人にものを聞く時には、所属と名前くらい先に言えよな、と思います。