素人レスキュー

炎天を避けたつもりが、夕方でもやっぱり暑い!和白郵便局で発送を済ませ自転車をこぐ。早く冷房に戻りたい。
奈多駅前の交差点すぐ側で、泣き喚く男の子とおかあさんがもつれ合っている。「わがままガキは大変だなあ」通り過ぎようとすると様子がおかしい。倒れた自転車のフレームと車輪の間に子供の右足が挟まっているのだった。くるぶしのすぐ上あたりで、ほとんどありえないような角度で曲がっている。おかあさんは泣きながら、無我夢中で子供の足を引っ張る。子供は痛がる。いよいよ泣き喚く。「おかあさん、おかあさん、ひっぱっちゃダメやがな」ちょうど通りかかった大学生らしき女の子二人に助けを求めて、フレームとスポークを力まかせに引っ張るけれど、ビクとも動かない。自転車は新品で、作りがいいのだな。おかあさんは「ごめんね、ごめんね、おかあさんが悪かった。ああ、どうしよう、どうしよう」泣きながら周りをさ迷い歩いている。子供を片手で抱きかかえて、フレームを引っ張るにも力が入らない。女の子二人も汗びっしょりだ。
多分、足を抜き出すのに10分。それから救急車が来るまで10分くらいのものだったろう。2時間くらいに感じてしまった。
子供を抱きかかえている私に、「おとうさんですか?」と救急隊員が聞くので、「いえ、私はほんの通りすがり」と言うと「あ、それはご苦労さまです。ありがとうございます」お礼を言われてしまったけれど、救急隊員がそんなことを言う必要があるのだろうか?
しかし、4歳の立ち直りは早い。救急車の中ではもう、女の子にもらったクッキーにかじりついて半泣き笑いだった。