大草原にテントは一つ

土日は九重に行った。
3時過ぎに沢水キャンプ場集合。それだけしか決めていない。その前にどこかに登ろうかどうしようか、博多から4時間の車中にも心が決まらない。まあとにかく、牧の戸峠まで上ってはみたものの、登山靴のヒモを締めながらまだ迷う。履いてしまったからにはどこかに登らないと格好がつかない。どちらに行こうか東か西か。黒岩でも沓掛でもたいしたアルバイトでもないんだけれど。
先に隣に停まっていた車から、きれいなおばさんが降りてきて沓掛山方向に歩いていく。よし決めた、沓掛にしよう。
おばさんを追い越して山頂までわずかに16分。さすがにもの足りない。もう少し歩こう。1時間半だけ歩こう。
微風薄曇。のんびりした山道を久住に向ってのんびり歩く。前から来る大集団を避けて想定外の右の踏み跡を辿る。扇ガ鼻(1698m)に登ったのは30年ぶりくらいではないだろうか。山頂には先客3人。きっと久住山頂(1787m)にはこの百倍はいるな。
キャンプ場には同期のG君、一年先輩のI氏が先着していた。
「一杯やらんことにゃ仕事はでけん」
さっそく酒盛りが始まる。
飲みながらテントをたてて。
飲みながら晩飯作って。
飲みながら侃々諤々の議論をやって。
今朝テントを撤収してもまだ皆フラフラ。
「こりゃいかん、検問で引っかかるばい」
駐車場のアスファルトの上、シュラフにもぐり込んで二度寝一時間。
これでようやく酔いがさめた。(はずだ)