ほんの思いつき


こんな貼り紙をして捨て本を持っていってもらおう。業者に金を払って処分するより、ご近所さんに少しでも喜んでもらおう。
いい思い付きだと思ったのになあ、カミサンの強硬な反対で頓挫してしまった。残念。
「そんなことしたら変な人が集まってきそうで怖いヨ」
当地は一応市内ではあるけれど東のとっ外れで、十数年前引っ越してきた時は、交通量は多いものの家並みも人もゆったりしていて、犯罪の心配などこれっぽっちもなかった。なにしろすぐ裏に交番があって、毎日「おはよう」の挨拶をかわす警官もいかにも“田舎の駐在さん”ノンビリしたものだった。
この交番がリストラされ、人工島道路開通による交通事情の改善とともに治安は悪化。ご近所で一人暮らしのおばあちゃんは殺され、隣りのアパートの敷地内で深夜暴力沙汰があり周り中血だらけ、昨年夏は飲酒運転事故で子ども三人死亡。今年も数百メートル離れた民家で男女が殺し合い。まったく殺伐としてきている。
カミサンが怖がるのもわからないではないけれど、捨て本を置いたくらいでそんなに怪しい人が集まるわけもなかろう。ほとんどの人は、本などタダでもいらんだろう。来週あたり、こっそりやってみるか。